セスナ免許のフライトスクールの選び方

海外

さあセスナの免許をとろう!

でもスクールってたくさんあってどこにしたらいいかわからない…

そんな方に読んでいただきたい記事です。

この記事を読むと、スクール選びの際の注意ポイントがわかると思います。

筆者はアメリカでセスナ免許を取得したので、主にアメリカのスクール選びの話しになりますが、後半のスクール選びのポイントなどは国内で選ぶ際にの一助となれば幸いです。

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場所を選ぶ

まずは場所を選びましょう。仕事の都合で米国に行く方は選びようがないですが、そうでない場合はこちらを参考にしてみてください。

グアム

グアムはグアム国際空港で訓練することになります。日本から近いので週末だけ通って訓練している方が多いようです。私も休暇でグアムに行って飛んだときに、勉強のためということで訓練中の方を乗せて飛んだことがあります。

ベース空港グアム国際空港。
大きいがそれほど混んでいないので、離着陸訓練はやりやすい。
天候熱帯気候で一定していて予想しやすい。
台風には要注意。
訓練の特徴周りがすべて海。島の全景が見えるので地形がわかりやすく、迷子になりにくい。
他の空港まで行くクロスカントリーでは海の上を飛ぶので現在地がわかりにくい。

クロカン訓練ではテニアン島かサイパン島まで行かなければならず、通常より時間がかかる。
(とはいえ大きな差ではない。)
滞在中リゾート感あり。ホテル代は少し高めか。
頻繁に何度も行くと飽きる。(個人の感想です)
交通の便成田から直行便が頻繁に出ている。飛行時間は約4時間。
日本人経営のスクールあり
補足夜フライトした時の星空が感動的に綺麗。

まとめると、通いで取るには良いと思いますが長期滞在するには向かないかもしれません。通いでも毎週行くのは飽きてしまうかも。割り切ってストイックに訓練するのがよいと思います。

夕方にグアムを出発してロタ島に夕景・夜景フライトをした時のこと。夕焼けも綺麗だったのですが、日没後にロタを出発するとき、機種を上げると目の前に満天の星空が。周りが暗いのでとてもきれいに見えました。あの衝撃的な綺麗さは忘れられません。

ハワイ

ハワイはグアムよりも島が大きく、またいくつか島があります。

ベース空港ホノルル国際空港や、ほかの中小空港。
ホノルル空港は混雑するので、離着陸訓練は緊張しそう。
天候熱帯気候で一定していて予想しやすい。
台風には要注意。
訓練の特徴グアムより大きく、地形の起伏が豊かなので迷子にはなりにくい。
他の島に行く際も島影が多いので機位を計算しやすそう。
滞在中リゾート感あり。ホテル代は少し高めか。
何度も行っても飽きなさそう。
交通の便羽田・成田から直行便あり。飛行時間は約8時間。
日本人経営のスクールあり
補足訓練で他の島に行けると楽しそう。

まとめると、通いは可能ですがグアムよりは遠い感じがします。ただ島も街も大きいので、繰り返し行っても飽きないかもしれません。

オアフ島以外にもカウアイ島、ハワイ島などいくつか島があるので、クロスカントリーでそういう島に行くのは楽しそうです。

米国中部

デンバーやシカゴなどが代表的です。私はデンバー近郊で訓練しました。短期/長期滞在に向いていて、通いの方はほぼいないと思います。

ベース空港大空港ではなく、近隣のローカル空港をベースにすることが多い。
いたるところに空港がある。
天候山の近くは天候が変わりやすい。
北部は雪のリスクもある。
訓練の特徴海がなく草原と山だけなので(島に比べて)機位を見失いやすい。
道路や湖、風車を目標にする。
滞在中国立公園が多かったり自然が面白い場所が多いので、(それが好きなら)飽きない。
地域のイベントなどに参加すると、アメリカで暮らしている実感を得やすいかも。
交通の便直行便はシカゴやデンバーなど。
日本人経営のスクールほぼ無い。

大自然の中で訓練することになります。リゾート感は無いので訓練としてはストイックな感じになりますが、現地で暮らすと「アメリカ人になった」感じがして私は好きです。

米国西海岸

サンフランシスコなどが代表的です。こちらは通い・短期・長期滞在どれもおられるようです。

ベース空港大空港は混むので、近隣のローカル空港をベースにすることが多い。
いたるところに空港がある。
天候海沿いは風が強い。
北部は雪に注意。
訓練の特徴海から内陸まで訓練できる。
滞在中大都市もあり、少し遠出すると国立公園など自然も多い。
日本人街もあって和食も手に入る。
日系ホテルなら日本式の湯舟があるところも。
交通の便サンフランシスコ、ロス、シアトルなどに直行便あり。
日本人経営のスクールあり。

大都市で、自然も多く、住みやすい、と様々な条件のバランスがよいと思います。強いて欠点を挙げるなら、物価は少し高めかもしれません。

通いの場合は交通費と時間がネックですが、それが問題にならない方は、サンフランシスコで取る方もけっこういるようです。

短期/長期滞在の場合は、なんといっても日本人街があるのは大きいです。私のようなデンバーの片田舎にいた長期滞在者には羨望の的です。ちょっと歩けば居酒屋が!Kマート(和食スーパー)が!しかもロスの都ホテルには夢にまで見た日本式の湯舟が!もうこうなったら湯舟で燗酒を飲むしかありません。

島と内陸の違い

島か内陸の大きな違いは、地理の違いと、気象の違いにあると思います。私の感覚では、内陸の方が難しい(つまり良い訓練になる)ように思います。

地理の違い

私が訓練したデンバー周辺は山と草原ばかりでした。Navigationの訓練として、飛んでいる最中に突然「今どこにいるの?」と聞かれるのですが、目印がないので最初はまったくわかりません。

 教官: 「あそこに高速道路が見えるでしょ。こっちの通りは○○通り。だから今ここ。」

 私: 「・・・あーなるほどね。。。(いや聞いてもわからん)」

まずどれが高速かわからんし、○○通りなんてローカルな道知るか~!

普段はGPSのついていない安い機体で訓練するのですが、ソロの初クロカン(ほかの空港まで出かけていく)の時は不安でさすがにGPS付きの高い機体を借りました。そんな私も、ライセンスを取るころには自分の位置がわかるようになるので安心してください。

それに比べてグアムで飛んだ時のわかりやすさと言ったら。ちょっと見渡せば海岸線が見えます。GPSいらないです。

ただ、飛行機乗りとしては目印のない場所でも飛べるようになっておいた方がよいのは間違いないです。

風の違い

デンバーは西にロッキー山脈があり、東は平野という地形です。島では強い風が吹いても比較的一様に吹きます(台風などを除く)が、しかし山を越えてきた風は、山岳波と呼ばれ乱れが強く不安定になります。あるときクロスカントリーで遠くの空港に行ったとき、地表は少し風が強いくらいだったのですが、上空に行くと山岳波があって非常に不安定な気流になっています。風向も風速もランダムに変わっていて、対気速度のメータが乱高下して速度が分かりません。と思ったら絶叫マシンのように一気に飛行機が落ちて、体が宙に浮いたあと、椅子に体が叩きつけられました。一瞬で1000feet(300m)も下がっていました。

私はもうガチガチになって必死に操縦しているんですが、教官は「そんなに操縦桿を固く持つな。うまく操縦できなくなるぞ。操縦桿は小指一本で抑えてればいいから鼻歌でも歌ってな」なんて言っています。こういう経験ができるのは山の特徴だと思います。なお、飛行機はどれだけ乱気流があっても対気速度が上限値を超えない限り壊れませんので安心してください。

スクールを選ぶ

スクール選びの際は、ぜひ事前に見学に行ってください。見学の際に注意することをまとめました。

教官との相性

訓練では基本的にずっと同じ教官についてもらうことになります。教官の都合が悪い場合などは他の教官がつくことはあります。ですので最初にこのスクールの教官は責任をもって教えてくれそうか、変な人でないか、気が合いそうか、などを判断してください。なお訓練開始後に「やっぱり変えたい」となったら、教官変更を申し出ることは問題ありません。

機材

機材にも新旧があります。一般論としては、大きなスクールほど新しい機材を持っていて、中小スクールは中古の古い飛行機のことが多いです。

ただ、古いから悪いわけではありません。古い機材はレンタル費が安いですし、訓練に差し支えることはありません。もちろん新しい飛行機はGPSがついていたり、楽しいしワクワクします。私の教官はUnited航空で機長を務めあげた人で、結構な高齢だったのですが、その教えは「GPSなんか使うな。万が一壊れたらどうするんだ。GPS無しでも飛べるようにするのが訓練の目的だ」でした。これはその通りだと思います。

私個人の意見としては、(あまりにもオンボロなのは別として)機材の新旧は気にしないでよく、むしろ少し古くても安い方がいいと思います。スクールの機材は定期的に点検しているので、古いからと言って壊れたりすることはありません。

スクールの規模

スクールにも大中小規模があります。ぜひ下見の際はいくつか見学して、自分に合うスクールを見てください。私のお勧めはアットホームで親切な中規模スクールです。

大規模

保有機数と教官の数が多く、システマチックにやってくれます。新しい機材を使っていることを売りにしていることが多いことが特徴です。アメリカ本土に多くあり、基本的に英語のみです。

大勢いる教官の中から選ぶことができます。この教官は合わない、と思ったら変更を願い出ても構いませんし、予約時に毎回教官をwebで指名する場合もあるようです。

ちょっとシステマチックで、フレンドリーさを感じられなかったので、私はやめました。人によってはそのシステマチックさがお好きな方もおられると思います。

中規模

保有機数3~5機の中規模スクールです。会社の形態は取っていますが、和気あいあいとしたフレンドリーな雰囲気が特徴です。「ドーナツ買ってきたよー」と言ってみんなに配ってくれたりします。

教官は複数名いるので選べますし、変更を申し出ることも問題ありません。

やはり日本からきているので不安な点が多かったのですが、フレンドリーで丁寧にケアしてくれそうだったので中規模スクールに決めました。実際、各種試験やチェックライドの際などは非常に丁寧にケアしてくれました。これはそれぞれの教官のキャラクターにもよるので一概には言えませんので、よく話をしてみてください。

小規模・観光フライト兼

保有機数1~2機程度で、観光用フライトをメインにして、スクールもやっているスクールです。グアムやハワイの日本人向けのスクールはこの形が多いように思います。

教官が少なかったり1人だったりしますので、教官を選ぶことはできません。しかしお互い日本人ですので、合う合わないはそれほど問題にならないと思います。もし本当に相性が合わなければ、転校することは可能です。

なお機材の新旧はまちまちです。繁忙期は観光客で埋まってしまうこともあるかもしれません。

小規模・空港管理者兼務

内陸部の、管制官がいないようなローカル空港で、空港管理者がスクールもやっているパターンです。

こんなところ誰が使うの?みたいな辺鄙な空港で、備え付けのカフェに行くとそこの老夫婦がスクールを兼ねていたりします。訓練可能な内容が限られている場合もあるので、確認してください。(座学は別のスクールに行くなど)

わざわざこのタイプのスクールを選ぶことはないと思いますが、田舎の人はフレンドリーなことが多いので、楽しい訓練になるかもしれません。機材はたいてい古く、費用も安めです。

アメリカで取得するには英語が必須!

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気象学を学ぶ

パイロットには気象学の知識も役に立ちます。

筆者は気象予報士の資格も取得しました。趣味のレベルです。

まとめ

セスナ免許取得のためのフライトスクールの選び方について解説しました。

スクール選びの際に参考にしていただければ幸いです。

アメリカのインストラクターにすすめられた本

いずれも英語の本です。1冊目は大西洋無着陸横断の冒険の本人による記録です。

こちらはその彼の自伝。

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