サラリーマンのパイロットが解説!セスナ免許を取得する方法

海外

パイロットの夢を持っている方へ

航空会社に就職しなくても、パイロットの夢をあきらめなくていいんです!

筆者は航空関連ではない普通のサラリーマンでしたが、社会人になってから小型飛行機のライセンス(=セスナ免許)をアメリカで取得しました。

実はアメリカでは日本より安く、短時間で取得できます

この記事が、パイロットへの道の一助となれば幸いです。

セスナの免許が欲しいけれど具体的にどうしたらいいかわからない…と思っていませんか?

筆者の実体験をもとに免許取得までの流れや選択肢などを具体的に解説しています

そのためこの記事を読めば、取得までのイメージがわきやすくなるでしょう。

  • セスナ免許所得にかかる費用は?
  • 何歳から所得できる?
  • どれくらいの期間かかるの?
  • どこでとれるの?日本?海外?
  • 海外で取りたい場合どうしたらいい?

こんな疑問をお持ちの方に読んでいただきたい記事です!

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ライセンスの種類

  • 趣味で飛びたい人が取得するのは「自家用操縦士(飛行機)」の免許
  • アメリカで取得する場合は、「Private Pilot, Single Engine, Land」

ライセンスにはいくつか種類がありますが、多くの人が最初に取るのは「Private Pilot, Single Engine, Land(プライベートパイロット, シングルエンジン, 陸上機)

日本では「自家用操縦士(飛行機)」の免許です。

Private Pilot(プライベートパイロット)というのは、普通自動車免許のようなもので、エンジン1個の陸上機、いわゆる「セスナ機」を操縦することができます。

ただしお金を取ってお客さんを乗せることができません(お金をもらうには事業用ライセンスが必要です)。

上記のいわゆる普通免許を取得後、必要の応じてCommercial pilot(コマーシャルパイロット)などにランクアップしていくことになります。

アメリカではもっと費用が安くとれるライセンスとして、グライダー(Grider・滑空機)やRecreational Pilot(セスナ機に乗れるが他の飛行場に行けない)のライセンスがありますが、飛ばせる飛行機が違うので、ご自分の取りたいものがどれか確認してください。

取得できる年齢は?

  • ライセンス取得は17歳以上
  • 座学などの訓練はそれ以前から可能

ライセンス取得は17歳以上です。

ただし訓練はその前から可能で、単独飛行(ソロフライト)をするときに16歳以上であればよいです。

筆者が通っていたアメリカのスクールでは15歳で座学のコースを始めている人がいました。

取得にかかる費用は?

  • ライセンススクール費用は、アメリカでは約130万円日本は約600~800万円
  • アメリカで取得する場合、スクール費用に加えて滞在費と渡航費が必要
  • アメリカ短期滞在の場合、250万円くらい

アメリカではライセンススクールの費用が1万ドル強(約130万円)です。

費用の大部分が飛行機のレンタル費用+教官費用で、筆者のいたアメリカのスクールでは飛行機が1時間125ドル~、教官が1時間50ドルでした。訓練時間の目安は60時間(多少のミスをしても最大80時間くらい)、うち教官同乗が40時間くらいです。(法律上の最短の訓練時間は40時間ですが、日本人には難しいと思います。アメリカ人でもほとんどいません。)

なお、日本のスクールの費用が600~800万円であることを考えると格安です。日本の飛行機レンタル費は1時間5万円~ですので、このレンタル費の差が価格差の原因になっています。

筆者のいたスクールでは、現地の高校生が受付でバイトをしてライセンス取得の費用を貯め、18歳になったらそのスクールでライセンスを取っていました。アメリカでは飛行機は本当に身近なんです。こうしてバイトすると、バイト中に実地で勉強できるので効率的に学習でき、訓練時間も短くて済む=費用が安くなるんだそうです。

アメリカで取得する場合、スクール費用に加えて滞在費と渡航費が必要です。(筆者は仕事の都合で滞在していたので、滞在費と渡航費は考えませんでした。)短期滞在で行く場合は、滞在費が1泊80ドル×90日=7200ドル、渡航費が20万円くらいで、全部合わせると(為替レートにもよりますが)250万円くらいでしょうか。

取得にかかる期間は?

  • 短期集中なら3か月
  • 週末のみ通うのであれば1年
  • 現地の気候により、予定通り訓練できない日もある

平日も通って短期集中なら3か月、週末だけなら1年が目安です。

訓練の正味日数としては50~60日だと思います。

訓練の大部分は飛行訓練で、空いた時間に座学をやることになります。飛行訓練の時間は目安として60時間、多少ミスして時間がかかって80時間くらいと考えてください。1回あたりの飛行時間は1~2時間で、およそ40~60回くらい訓練することになります。1日2回飛ぶこともできますが結構疲れます。筆者は最大で1日3回こなしたことがありますが、へとへとで最後は危険な操縦になっていた気がします。

筆者の場合、仕事の都合でアメリカに滞在していた時に、週末と有給休暇を使って10か月でとりました。

現地の気候によっても期間は変わります。

筆者がいた地域は豪雪地帯で、冬は強風で飛べない日がありました。せっかく予約したのに2週連続で飛べない、なんてこともありました。また雪が降ると、飛行機の雪かきが必要です。せっかく予約したのに、雪が降ったから朝イチから1時間かけて雪かきして出発、なんてこともありました。どれくらい飛べるかはスクールに聞いてみてください。

アメリカで取得するメリット

  • 費用が安い
  • アメリカの飛行機文化に触れられる
  • 視力の健康診断の基準が緩い

費用が安いのは前述の通り。その他2点について。

アメリカの飛行機文化に触れられる!

アメリカは本当に飛行機が身近な国です。筆者の教官は第二次大戦前の飛行機を所有して普段から飛ばしていました。

実際訓練中にも、現役で飛んでいる戦闘機や、飛行機ファンがしびれるようなたくさんの魅力的な飛行機たちに出会いました。

この話を始めると大興奮で筆が乗ってページに収まらなくなるので、別記事にまとめます。

ライト兄弟から始まり、郵便飛行機の危険な航路、リンドバーグやアメリア・イヤハートの冒険と続く航空史とairmanshipが脈々と息づいているのがアメリカの飛行機文化です。

この飛行機文化の中でライセンスを取得するという機会は、本当にかけがえのないものでした。

視力の健康診断の基準が緩い

後述する「海外で取得するための具体的な準備は?」のなかで説明します。

アメリカで取得するデメリット

  • 海外移住または通いが必要
  • すべて英語

こちらも海外移住・通いにかかる滞在費や渡航費については前述の通り。

すべてを英語でやらないといけない!

アメリカで取る最大のハードルは、なんといっても英語です。海外スクールでは一度インストラクションを聞き漏らしてしまうと、そのあとのリカバリーが結構難しいです。

また無線も全部英語です。無線の英語はとても聞きづらく、最初は苦労します。

普段は教官が同乗しているので「何とかしてくれる」と思ってしまいますが、一人で乗る訓練(ソロフライト)では万が一聞き逃したら大変なことになりますし、クロスカントリー(他の空港へのフライト)では慣れない空港の慣れないオペレータと会話せねばなりません。

英語力は自分だけでなく周囲の航空機の安全にも影響します。ライセンス取得の要件に「英語でのコミュニケーションに問題ないこと」というのがありますので、ご自分の英語力は良く把握してからチャレンジしてください。

なお英語が苦手な方は日本人が経営するスクールに行く手もあります。そうすると座学と操縦訓練は楽になるそうですが、結局無線交信は自分で英語でやらなければなりません。

飛行の安全にかかわることなので、いずれにしても英語からは逃げないでください。

参考までに、筆者のライセンス取得当時の英語力はTOEIC900点以上でした。

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国内・海外の違いは?

ここまでの説明を簡単にまとめました。

国内で取得海外アメリカで取得
費用600~800万円1万ドル(130万円)~
+滞在費・渡航費
期間最短2, 3か月短期集中:3か月
週末のみ:1年
メリット・日本語で安心
・日本に住みながら取得可能
・費用が安い
・米国の飛行機文化に触れられる
・視力の健康診断の基準が緩い
デメリット・費用が高い
・視力の健康診断が厳しい
・全て英語
・海外移住または通いが必要
【表】セスナ免許取得の国内と海外の違い

海外で取得するための具体的な準備は?

  • 健康診断を受ける
  • 取得プラン・場所を検討する
  • スクールへの連絡スクール選び

健康診断(FAA Medical Check)

パイロットになりたいと思い立ったら、まず健康診断(FAA Medical Check)をパスする必要があります。

FAAとは、Federal Aviation Administration(アメリカ連邦航空局)のことです。

てんかん発作や心臓病などに関するチェックがありますが、筆者の感覚としては「自動車を運転できれば飛行機もOK」という雰囲気です。

日本との特に大きな違いは、視力の規定です。

日本では(実質的に)裸眼視力に規制があるのですが、アメリカでは矯正視力しかありません。つまり目が極端に悪くても眼鏡をしていればOKです。

まずは日本にいるうちに、健康診断にパスできるかどうかを確認しましょう。

日本でもFAAのMedical Checkを受けられるクリニックがあります(例えば羽田空港内)ので、事前に相談してもよいと思います。(筆者が取得した2010年代前半は、Medical Checkを受けるとStudent Pilot Certificateが貰えたのですが、2016年から変わったようです。日本でMedical Checkを受けてから渡航してよいかどうかなど、詳しくは事前にスクールに確認してください。)

取得プラン・場所

取得のプランとして

① 仕事をしながら1年くらいの長期滞在中に取る
② 三か月くらいの短期滞在で取る
③ 通いで取る

のどれにするかを選びましょう。①ができる人は限られていて悩まないので、悩むとしたら②か③でしょうか。お仕事等とご相談してください。

プランが決まったら、次は場所です。

③の通いの場合はグアムが多く、ハワイやサンフランシスコで取る方も聞きます。グアムは良くも悪くも観光地で日本に近いので、「アメリカ的な飛行機文化」は少し薄いかもしれません。

また、地域によっては悪天候が続く季節もあります(豪雪地帯など)ので、どれくらいの頻度で飛べるかをスクールに確認することをおすすめします。

スクールへの連絡

プランまで決まったら、スクールにメールか電話で連絡をしましょう。

日本人向けのフライトスクールは安心ですが、それ以外の現地のフライトスクールもたいていは受け入れ可能だと思います。スクールで様々な手続きを教えてくれます。(手続きに関しては筆者が取得した2010年代前半頃から法律が変わったようなので、ここには必要書類は書きません)

スクール選びのポイントは別記事に書きましたが、スクールは渡航前に決めてしまうのではなく、候補を何個か持っておいて、実際に行ってスタッフの雰囲気を感じたり機材の様子を見ることをおすすめします。

スクール選びのポイントについてはこちら!

海外のライセンスで日本では飛べない?

アメリカのライセンスは日本のライセンスへの書き換え可能

アメリカのライセンスは日本のライセンスへの書き換えができます。国際免許証みたいなものです。

ただし航空法に関する学科試験を通過する必要がありますが、ほかの試験は免除されます。

また日本のライセンスを持っている人は、定期的に実地試験を行う必要がありますので、ライセンス書き換え後、まず実地試験を行なうことになります。

なお、アメリカでGriderのライセンスを取っておくと、日本で書き換えるときに滑空機に加えて動力滑空機(Motor grider)のライセンスがついてきてちょっとお得という噂を聞きました。あくまで噂なので、興味ある方は国交省航空局にご確認ください。(筆者も機会があったらちょっと取ってみたい。)

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気象学を学ぶ

パイロットには気象に関する知識も必要です。

筆者は、趣味のレベルで気象予報士の資格も取得しました。

気象予報士資格・気象学の勉強についてはこちらのサイトが参考になりおすすめです。

飛行機好きにおすすめの博物館

スメソニアン国立航空宇宙博物館【アメリカ/ワシントンDC】

航空宇宙、宇宙科学に関する展示物がたくさん見られます。

いつでも誰でも無料で入館できます!

おすすめ書籍

『パイロットになろう』

漫画で読むパイロット!

『飛行機操縦のABC』

操縦の入門書

アメリカのインストラクターにすすめられた本

いずれも英語の本です。1冊目は大西洋無着陸横断の冒険の本人による記録です。

こちらはその彼の自伝。

まとめ

筆者の実体験をもとに、主にアメリカで免許取得するまでの流れや選択肢などを具体的に解説しました。

想像を絶するロマンの世界が空には広がっています。

是非セスナ免許取得に向けて一歩踏み出してみてください!

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