サラリーマンのパイロットが解説!セスナ免許を取得する方法

海外

パイロットの夢を持っている方へ

航空会社に就職しなくても、パイロットの夢をあきらめなくていいんです!

筆者は航空関連ではない普通のサラリーマンでしたが、社会人になってから小型飛行機のライセンス(いわゆるセスナ免許)をアメリカで取得しました。

実はアメリカでは、日本で取得する場合と比べて費用を抑えやすく、短期間で取得を目指せるケースがあります。

この記事が、パイロットへの道の一助となれば幸いです。

セスナの免許が欲しいけれど具体的にどうしたらいいかわからない…と思っていませんか?

筆者の実体験をもとに免許取得までの流れや選択肢などを具体的に解説しています

そのためこの記事を読めば、取得までのイメージがわきやすくなるでしょう。

  • セスナ免許取得にかかる費用は?
  • 何歳から取得できる?
  • どれくらいの期間かかるの?
  • どこでとれるの?日本?海外?
  • 海外で取りたい場合どうしたらいい?

こんな疑問をお持ちの方に読んでいただきたい記事です!

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ライセンスの種類

  • 趣味で飛びたい人が取得するのは「自家用操縦士(飛行機)」の免許
  • アメリカで取得する場合は、「Private Pilot, Single Engine, Land」

ライセンスにはいくつか種類がありますが、多くの人が最初に取るのは「Private Pilot, Single Engine, Land(プライベートパイロット, シングルエンジン, 陸上機)

日本では「自家用操縦士(飛行機)」の免許です。

Private Pilot(プライベートパイロット)というのは、普通自動車免許のようなもので、エンジン1個の陸上機、いわゆる「セスナ機」を操縦することができます。

ただしお金を取ってお客さんを乗せることができません(お金をもらうには事業用ライセンスが必要です)。

上記のいわゆる普通免許を取得後、必要の応じてCommercial pilot(コマーシャルパイロット)などにランクアップしていくことになります。

アメリカではもっと費用が安くとれるライセンスとして、グライダー(Grider・滑空機)やRecreational Pilot(セスナ機に乗れるが他の飛行場に行けない)のライセンスがありますが、飛ばせる飛行機が違うので、ご自分の取りたいものがどれか確認してください。

取得できる年齢は?

  • ライセンス取得は17歳以上
  • 座学などの訓練はそれ以前から可能

ライセンス取得は17歳以上です。

ただし訓練はその前から可能で、単独飛行(ソロフライト)をするときに16歳以上であればよいです。

筆者が通っていたアメリカのスクールでは15歳で座学のコースを始めている人がいました。

取得にかかる費用は?

  • ライセンススクール費用は、アメリカでは約130万円日本は約600~800万円(注:筆者調査時点、スクールにより異なる)
  • アメリカで取得する場合、スクール費用に加えて滞在費と渡航費が必要
  • アメリカ短期滞在の場合、250万円くらい

アメリカではライセンススクールの費用が1万ドル強(約130万円)です。

費用の大部分が飛行機のレンタル費用+教官費用で、筆者のいたアメリカのスクールでは飛行機が1時間125ドル~、教官が1時間50ドルでした。訓練時間の目安は60時間(多少のミスをしても最大80時間くらい)、うち教官同乗が40時間くらいです。(法律上の最短の訓練時間は40時間ですが、日本人には難しいと思います。アメリカ人でもほとんどいません。)

なお、日本のスクールの費用が600~800万円であることを考えると格安です。日本の飛行機レンタル費は1時間5万円~ですので、このレンタル費の差が価格差の原因になっています。

筆者のいたスクールでは、現地の高校生が受付でバイトをしてライセンス取得の費用を貯め、18歳になったらそのスクールでライセンスを取っていました。アメリカでは飛行機は本当に身近なんです。こうしてバイトすると、バイト中に実地で勉強できるので効率的に学習でき、訓練時間も短くて済む=費用が安くなるんだそうです。

アメリカで取得する場合、スクール費用に加えて滞在費と渡航費が必要です。(筆者は仕事の都合で滞在していたので、滞在費と渡航費は考えませんでした。)短期滞在で行く場合は、滞在費が1泊80ドル×90日=7200ドル、渡航費が20万円くらいで、全部合わせると(為替レートにもよりますが)250万円くらいでしょうか。

取得にかかる期間は?

  • 短期集中なら3か月
  • 週末のみ通うのであれば1年
  • 現地の気候により、予定通り訓練できない日もある

平日も通って短期集中なら3か月、週末だけなら1年が目安です。

訓練の正味日数としては50~60日だと思います。

訓練の大部分は飛行訓練で、空いた時間に座学をやることになります。飛行訓練の時間は目安として60時間、多少ミスして時間がかかって80時間くらいと考えてください。1回あたりの飛行時間は1~2時間で、およそ40~60回くらい訓練することになります。1日2回飛ぶこともできますが結構疲れます。筆者は最大で1日3回こなしたことがありますが、へとへとで最後は危険な操縦になっていた気がします。

筆者の場合、仕事の都合でアメリカに滞在していた時に、週末と有給休暇を使って10か月でとりました。

現地の気候によっても期間は変わります。

筆者がいた地域は豪雪地帯で、冬は強風で飛べない日がありました。せっかく予約したのに2週連続で飛べない、なんてこともありました。また雪が降ると、飛行機の雪かきが必要です。せっかく予約したのに、雪が降ったから朝イチから1時間かけて雪かきして出発、なんてこともありました。どれくらい飛べるかはスクールに聞いてみてください。

アメリカで取得するメリット

  • 費用が安い
  • アメリカの飛行機文化に触れられる
  • 視力の健康診断の基準が緩い

費用が安いのは前述の通り。その他2点について。

アメリカの飛行機文化に触れられる!

アメリカは本当に飛行機が身近な国です。筆者の教官は第二次大戦前の飛行機を所有して普段から飛ばしていました。

実際訓練中にも、現役で飛んでいる戦闘機や、飛行機ファンがしびれるようなたくさんの魅力的な飛行機たちに出会いました。

この話を始めると大興奮で筆が乗ってページに収まらなくなるので、一部を記事後半にまとめました。記事後半はコチラ

ライト兄弟から始まり、郵便飛行機の危険な航路、リンドバーグやアメリア・イヤハートの冒険と続く航空史とairmanshipが脈々と息づいているのがアメリカの飛行機文化です。

この飛行機文化の中でライセンスを取得するという機会は、本当にかけがえのないものでした。

視力の健康診断の基準が緩い(検査基準が日本と異なる)

詳細は後述します。コチラへ。

アメリカで取得するデメリット

  • 海外移住または通いが必要
  • すべて英語

こちらも海外移住・通いにかかる滞在費や渡航費については前述の通り。

すべてを英語でやらないといけない!

アメリカで取る最大のハードルは、なんといっても英語です。海外スクールでは一度インストラクションを聞き漏らしてしまうと、そのあとのリカバリーが結構難しいです。

また無線も全部英語です。無線の英語はとても聞きづらく、最初は苦労します。

普段は教官が同乗しているので「何とかしてくれる」と思ってしまいますが、一人で乗る訓練(ソロフライト)では万が一聞き逃したら大変なことになりますし、クロスカントリー(他の空港へのフライト)では慣れない空港の慣れないオペレータと会話せねばなりません。

英語力は自分だけでなく周囲の航空機の安全にも影響します。ライセンス取得の要件に「英語でのコミュニケーションに問題ないこと」というのがありますので、ご自分の英語力は良く把握してからチャレンジしてください。

なお英語が苦手な方は日本人が経営するスクールに行く手もあります。そうすると座学と操縦訓練は楽になるそうですが、結局無線交信は自分で英語でやらなければなりません。

飛行の安全にかかわることなので、いずれにしても英語からは逃げないでください。

参考までに、筆者のライセンス取得当時の英語力はTOEIC900点以上でした。

海外のライセンスで日本では飛べない?

アメリカのライセンスは日本のライセンスへの書き換え可能

アメリカのライセンスは日本のライセンスへの書き換えができます。国際免許証みたいなものです。

ただし航空法に関する学科試験を通過する必要がありますが、ほかの試験は免除されます。

また日本のライセンスを持っている人は、定期的に実地試験を行う必要がありますので、ライセンス書き換え後、まず実地試験を行なうことになります。

なお、アメリカでGliderのライセンスを取っておくと、日本で書き換えるときに滑空機に加えて動力滑空機(Motor glider)のライセンスがついてきてちょっとお得という噂を聞きました。あくまで噂なので、興味ある方は国交省航空局にご確認ください

国内・海外の違いは?

ここまでの説明を簡単にまとめました。

国内で取得海外アメリカで取得
費用600~800万円1万ドル(130万円)~
+滞在費・渡航費
期間最短2, 3か月短期集中:3か月
週末のみ:1年
メリット・日本語で安心
・日本に住みながら取得可能
・費用が安い
・米国の飛行機文化に触れられる
・視力の健康診断の基準が緩い
デメリット・費用が高い
・視力の健康診断が厳しい
・全て英語
・海外移住または通いが必要
【表】セスナ免許取得の国内と海外の違い

海外で取得するための具体的な準備は?

  • 健康診断を受ける
  • 取得プラン・場所を検討する
  • スクールへの連絡スクール選び

健康診断(FAA Medical Check)

パイロットになりたいと思い立ったら、まず健康診断(FAA Medical Check)をパスする必要があります。

FAAとは、Federal Aviation Administration(アメリカ連邦航空局)のことです。

てんかん発作や心臓病などに関するチェックがありますが、筆者の感覚としては「自動車を運転できれば飛行機もOK」という雰囲気です。

日本との特に大きな違いは、視力の規定です。

日本では(実質的に)裸眼視力に規制があるのですが、アメリカでは矯正視力しかありません。つまり目が極端に悪くても眼鏡をしていればOKです。

まずは日本にいるうちに、健康診断にパスできるかどうかを確認しましょう。

日本でもFAAのMedical Checkを受けられるクリニックがあります(例えば羽田空港内)ので、事前に相談してもよいと思います。(筆者が取得した2010年代前半は、Medical Checkを受けるとStudent Pilot Certificateが貰えたのですが、2016年から変わったようです。日本でMedical Checkを受けてから渡航してよいかどうかなど、詳しくは事前にスクールに確認してください。)

取得プラン・場所

取得のプランとして

① 仕事をしながら1年くらいの長期滞在中に取る
② 三か月くらいの短期滞在で取る
③ 通いで取る

のどれにするかを選びましょう。①ができる人は限られていて悩まないので、悩むとしたら②か③でしょうか。お仕事等とご相談してください。

プランが決まったら、次は場所です。

③の通いの場合はグアムが多く、ハワイやサンフランシスコで取る方も聞きます。グアムは良くも悪くも観光地で日本に近いので、「アメリカ的な飛行機文化」は少し薄いかもしれません。

また、地域によっては悪天候が続く季節もあります(豪雪地帯など)ので、どれくらいの頻度で飛べるかをスクールに確認することをおすすめします。

スクール選びについても後述しています。次の見出しへ↓

スクールへの連絡

プランまで決まったら、スクールにメールか電話で連絡をしましょう。

日本人向けのフライトスクールは安心ですが、それ以外の現地のフライトスクールもたいていは受け入れ可能だと思います。スクールで様々な手続きを教えてくれます。(手続きに関しては筆者が取得した2010年代前半頃から法律が変わったようなので、ここには必要書類は書きません)

スクール選びのポイントは別記事に書きましたが、スクールは渡航前に決めてしまうのではなく、候補を何個か持っておいて、実際に行ってスタッフの雰囲気を感じたり機材の様子を見ることをおすすめします。

スクールの選びかた

つぎに重要なのがスクール選びです。

まずは場所を選びましょう。

仕事の都合で米国に行く方は選びようがないですが、そうでない場合はこちらを参考にしてみてください。

グアム

グアムはグアム国際空港で訓練することになります。日本から近いので週末だけ通って訓練している方が多いようです。私も休暇でグアムに行って飛んだときに、勉強のためということで訓練中の方を乗せて飛んだことがあります。

ベース空港グアム国際空港。
大きいがそれほど混んでいないので、離着陸訓練はやりやすい。
天候熱帯気候で一定していて予想しやすい。
台風には要注意。
訓練の特徴周りがすべて海。島の全景が見えるので地形がわかりやすく、迷子になりにくい。
他の空港まで行くクロスカントリーでは海の上を飛ぶので現在地がわかりにくい。

クロカン訓練ではテニアン島かサイパン島まで行かなければならず、通常より時間がかかる。
(とはいえ大きな差ではない。)
滞在中リゾート感あり。ホテル代は少し高めか。
頻繁に何度も行くと飽きる。(個人の感想です)
交通の便成田から直行便が頻繁に出ている。飛行時間は約4時間。
日本人経営のスクールあり
補足夜フライトした時の星空が感動的に綺麗。

まとめると、通いで取るには良いと思いますが長期滞在するには向かないかもしれません。通いでも毎週行くのは飽きてしまうかも。割り切ってストイックに訓練するのがよいと思います。

夕方にグアムを出発してロタ島に夕景・夜景フライトをした時のこと。夕焼けも綺麗だったのですが、日没後にロタを出発するとき、機種を上げると目の前に満天の星空が。周りが暗いのでとてもきれいに見えました。あの衝撃的な綺麗さは忘れられません。

ハワイ

ハワイはグアムよりも島が大きく、またいくつか島があります。

ベース空港ホノルル国際空港や、ほかの中小空港。
ホノルル空港は混雑するので、離着陸訓練は緊張しそう。
天候熱帯気候で一定していて予想しやすい。
台風には要注意。
訓練の特徴グアムより大きく、地形の起伏が豊かなので迷子にはなりにくい。
他の島に行く際も島影が多いので機位を計算しやすそう。
滞在中リゾート感あり。ホテル代は少し高めか。
何度も行っても飽きなさそう。
交通の便羽田・成田から直行便あり。飛行時間は約8時間。
日本人経営のスクールあり
補足訓練で他の島に行けると楽しそう。

まとめると、通いは可能ですがグアムよりは遠い感じがします。ただ島も街も大きいので、繰り返し行っても飽きないかもしれません。

オアフ島以外にもカウアイ島、ハワイ島などいくつか島があるので、クロスカントリーでそういう島に行くのは楽しそうです。

米国中部

デンバーやシカゴなどが代表的です。私はデンバー近郊で訓練しました。短期/長期滞在に向いていて、通いの方はほぼいないと思います。

ベース空港大空港ではなく、近隣のローカル空港をベースにすることが多い。
いたるところに空港がある。
天候山の近くは天候が変わりやすい。
北部は雪のリスクもある。
訓練の特徴海がなく草原と山だけなので(島に比べて)機位を見失いやすい。
道路や湖、風車を目標にする。
滞在中国立公園が多かったり自然が面白い場所が多いので、(それが好きなら)飽きない。
地域のイベントなどに参加すると、アメリカで暮らしている実感を得やすいかも。
交通の便直行便はシカゴやデンバーなど。
日本人経営のスクールほぼ無い。

大自然の中で訓練することになります。リゾート感は無いので訓練としてはストイックな感じになりますが、現地で暮らすと「アメリカ人になった」感じがして私は好きです。

米国西海岸

サンフランシスコなどが代表的です。こちらは通い・短期・長期滞在どれもおられるようです。

ベース空港大空港は混むので、近隣のローカル空港をベースにすることが多い。
いたるところに空港がある。
天候海沿いは風が強い。
北部は雪に注意。
訓練の特徴海から内陸まで訓練できる。
滞在中大都市もあり、少し遠出すると国立公園など自然も多い。
日本人街もあって和食も手に入る。
日系ホテルなら日本式の湯舟があるところも。
交通の便サンフランシスコ、ロス、シアトルなどに直行便あり。
日本人経営のスクールあり。

大都市で、自然も多く、住みやすい、と様々な条件のバランスがよいと思います。強いて欠点を挙げるなら、物価は少し高めかもしれません。

通いの場合は交通費と時間がネックですが、それが問題にならない方は、サンフランシスコで取る方もけっこういるようです。

短期/長期滞在の場合は、なんといっても日本人街があるのは大きいです。私のようなデンバーの片田舎にいた長期滞在者には羨望の的です。ちょっと歩けば居酒屋が!Kマート(和食スーパー)が!しかもロスの都ホテルには夢にまで見た日本式の湯舟が!もうこうなったら湯舟で燗酒を飲むしかありません。

島と内陸の違い

島か内陸の大きな違いは、地理の違いと、気象の違いにあると思います。私の感覚では、内陸の方が難しい(つまり良い訓練になる)ように思います。

地理の違い

私が訓練したデンバー周辺は山と草原ばかりでした。Navigationの訓練として、飛んでいる最中に突然「今どこにいるの?」と聞かれるのですが、目印がないので最初はまったくわかりません。

 教官: 「あそこに高速道路が見えるでしょ。こっちの通りは○○通り。だから今ここ。」

 私: 「・・・あーなるほどね。。。(いや聞いてもわからん)」

まずどれが高速かわからんし、○○通りなんてローカルな道知るか~!

普段はGPSのついていない安い機体で訓練するのですが、ソロの初クロカン(ほかの空港まで出かけていく)の時は不安でさすがにGPS付きの高い機体を借りました。そんな私も、ライセンスを取るころには自分の位置がわかるようになるので安心してください。

それに比べてグアムで飛んだ時のわかりやすさと言ったら。ちょっと見渡せば海岸線が見えます。GPSいらないです。

ただ、飛行機乗りとしては目印のない場所でも飛べるようになっておいた方がよいのは間違いないです。

風の違い

デンバーは西にロッキー山脈があり、東は平野という地形です。島では強い風が吹いても比較的一様に吹きます(台風などを除く)が、しかし山を越えてきた風は、山岳波と呼ばれ乱れが強く不安定になります。あるときクロスカントリーで遠くの空港に行ったとき、地表は少し風が強いくらいだったのですが、上空に行くと山岳波があって非常に不安定な気流になっています。風向も風速もランダムに変わっていて、対気速度のメータが乱高下して速度が分かりません。と思ったら絶叫マシンのように一気に飛行機が落ちて、体が宙に浮いたあと、椅子に体が叩きつけられました。一瞬で1000feet(300m)も下がっていました。

私はもうガチガチになって必死に操縦しているんですが、教官は「そんなに操縦桿を固く持つな。うまく操縦できなくなるぞ。操縦桿は小指一本で抑えてればいいから鼻歌でも歌ってな」なんて言っています。こういう経験ができるのは山の特徴だと思います。なお、飛行機はどれだけ乱気流があっても対気速度が上限値を超えない限り壊れませんので安心してください。(通常の訓練機は適正速度を守っていれば十分な強度を持っています)

スクール選びのポイント

スクール選びの際は、ぜひ事前に見学に行ってください。見学の際に注意することをまとめました。

教官との相性

訓練では基本的にずっと同じ教官についてもらうことになります。教官の都合が悪い場合などは他の教官がつくことはあります。ですので最初にこのスクールの教官は責任をもって教えてくれそうか、変な人でないか、気が合いそうか、などを判断してください。なお訓練開始後に「やっぱり変えたい」となったら、教官変更を申し出ることは問題ありません。

機材

機材にも新旧があります。一般論としては、大きなスクールほど新しい機材を持っていて、中小スクールは中古の古い飛行機のことが多いです。

ただ、古いから悪いわけではありません。古い機材はレンタル費が安いですし、訓練に差し支えることはありません。もちろん新しい飛行機はGPSがついていたり、楽しいしワクワクします。私の教官はUnited航空で機長を務めあげた人で、結構な高齢だったのですが、その教えは「GPSなんか使うな。万が一壊れたらどうするんだ。GPS無しでも飛べるようにするのが訓練の目的だ」でした。これはその通りだと思います。

私個人の意見としては、(あまりにもオンボロなのは別として)機材の新旧は気にしないでよく、むしろ少し古くても安い方がいいと思います。スクールの機材は定期的に点検しているので、古いからと言って壊れたりすることはありません。

スクールの規模

スクールにも大中小規模があります。ぜひ下見の際はいくつか見学して、自分に合うスクールを見てください。私のお勧めはアットホームで親切な中規模スクールです。

大規模

保有機数と教官の数が多く、システマチックにやってくれます。新しい機材を使っていることを売りにしていることが多いことが特徴です。アメリカ本土に多くあり、基本的に英語のみです。

大勢いる教官の中から選ぶことができます。この教官は合わない、と思ったら変更を願い出ても構いませんし、予約時に毎回教官をwebで指名する場合もあるようです。

ちょっとシステマチックで、フレンドリーさを感じられなかったので、私はやめました。人によってはそのシステマチックさがお好きな方もおられると思います。

中規模

保有機数3~5機の中規模スクールです。会社の形態は取っていますが、和気あいあいとしたフレンドリーな雰囲気が特徴です。「ドーナツ買ってきたよー」と言ってみんなに配ってくれたりします。

教官は複数名いるので選べますし、変更を申し出ることも問題ありません。

やはり日本からきているので不安な点が多かったのですが、フレンドリーで丁寧にケアしてくれそうだったので中規模スクールに決めました。実際、各種試験やチェックライドの際などは非常に丁寧にケアしてくれました。これはそれぞれの教官のキャラクターにもよるので一概には言えませんので、よく話をしてみてください。

小規模・観光フライト兼

保有機数1~2機程度で、観光用フライトをメインにして、スクールもやっているスクールです。グアムやハワイの日本人向けのスクールはこの形が多いように思います。

教官が少なかったり1人だったりしますので、教官を選ぶことはできません。しかしお互い日本人ですので、合う合わないはそれほど問題にならないと思います。もし本当に相性が合わなければ、転校することは可能です。

なお機材の新旧はまちまちです。繁忙期は観光客で埋まってしまうこともあるかもしれません。

小規模・空港管理者兼務

内陸部の、管制官がいないようなローカル空港で、空港管理者がスクールもやっているパターンです。

こんなところ誰が使うの?みたいな辺鄙な空港で、備え付けのカフェに行くとそこの老夫婦がスクールを兼ねていたりします。訓練可能な内容が限られている場合もあるので、確認してください。(座学は別のスクールに行くなど)

わざわざこのタイプのスクールを選ぶことはないと思いますが、田舎の人はフレンドリーなことが多いので、楽しい訓練になるかもしれません。機材はたいてい古く、

セスナ機操縦時の必需品・アイテム

ヘッドセット

まずはヘッドセット。

David Clark  H10-30

有名なのがコレ「デビッドクラーク」。私もこれを使っています。

アメリカで買う方が安いと思います。

David Clark  Model H10-13.4

さらにちょっといいやつ。

Bose   A20 Aviation Headset

もっといいやつ。ノイズキャンセリング付き。

やはり憧れるのはBoseのヘッドセット。ビジュアルが明らかにかっこいいです。

大手エアラインパイロットも使用していると聞いています。

ログブック

飛行の記録をつけるノートです。必ず飛行記録はつけないといけないので、必需品です。

これもアメリカで買うともっと安いです。

ニーボード

飛行機を操縦中に必要な情報をまとめておくアイテムで、膝の上に固定して用いるので「ニー(膝)ボード(板)」です。

必需品です。

最近はiPadなど電子ニーボードがありますが、バッテリー切れの際に困りますよね。私は信頼性の高いアナログをおすすめします。

ASA VFRニーボード ASA-KB-1-A

ベーシックなタイプ。

デラックス ニーボード

ナイトフライトで活躍する電気付き。

訓練で夜間飛行が必ずあるので、ライト付きは必須です。インストラクターから買いなさいと言われました…でも正直使いにくいです。後に、上で紹介したベーシックタイプを買いなおしました…。

バッグ

私はSporty’s Pilot shop のバッグを使っています。おすすめです。

どうやら日本では売ってないようなので…下に紹介したのは類似品です。

サングラス

Rayban サングラス 0RB3025 AVIATOR LARGE METAL

サングラスと言えば、レイバン

トム・クルーズが『トップガン』で着用していたティアドロップ型です。

フライトコンピューター

飛行前の飛行計画をつくるときや、飛行中に速度や距離、時間などを測るときに用います。

必需品です。

フライトプロッター

飛行コースを正確に測るための道具で、定規と分度器が合体した形をしています。

必需品です。

おまけ

セスナ機のフィギュア

これは必需品ではありません。

机の上に置いておきたい。

高度計の目覚まし時計

必需品ではありません。

こちらはお手頃価格のアイテムです。

Breitling(ブライトリング)の時計

これも必需品ではありません。

飛行機乗りなら誰もが憧れるブライトリングの腕時計。高級品です…。

訓練中の体験談

生活に飛行機がある国

アメリカは非常に飛行機が身近にある国です。日本では考えられないようなことがあります。

ボーイング社は会社用敷地内に飛行場があって、社員は飛行機で通勤する人がいます。なんと、出勤時刻には飛行機が渋滞するとか。

隣の空港においしいハンバーガーを食べに行こう!と言って飛行機でハンバーガーを食べに行ったりします。(別においしいハンバーガー屋さんは他にもあるやん。)

ライセンスを取る座学の教材では、就職面接に小型飛行機で行く人を題材にして、事前の計画作成の重要性を教えてくれます。(いや遅れたくないなら前の日に車で行くとかあるやん)

飛行機情報誌には、「飛行場に行くのが面倒なあなた!自宅の前に滑走路を造りませんか?」とか、「自宅用ハンガー(飛行機の車庫) ○○万ドル!」とか、日本だとあり得ない宣伝文句が並んでいます。え?自宅の前に滑走路がある前提で広告書いてるのどういうこと?

挙句の果てには「Boeing 747 ○○万ドル!」なんていって、ジャンボジェットを売っていました。これほんとに一般人が買うの?

訓練中に出会った飛行機

筆者はアメリカのライセンススクールで約10か月訓練していました。

その間に出会い、大興奮した飛行機たちを紹介します。

Boeing737

普段は定期便がない空港で訓練をしていました。ある日着陸しようとすると、「あなたの後ろ5マイルにBoeing 737が来ているから急いで降りてね」という無線が。Boeing737と私の乗っているCessna172ではスピードが段違いです。追いつかれないように急いで降りました。

日本だと737が飛べる空港では訓練しないんじゃないかと思うんですが、アメリカならではの経験かもしれません。

Stemm S12

いつものように飛んでいると、私の前をとても優雅な白い飛行機が下りていきました。Stemm社のS12というモーターグライダーでした。プロペラ付きの飛行機なのですが、プロペラを格納してグライダーにもなれます。調べてみるとどうやら日本では登録されていない飛行機でした。アメリカには多種多様な飛行機が飛んでいます。着陸後に偶然S12と給油所で一緒になって、近くで見ることができました。自分で飛行機を持てるならこれを持ちたい、と思えるような、とても綺麗で美しい飛行機でした。

F16(戦闘機)

ある日食堂でハンバーガーを食べていると、周囲がざわつきだしました。滑走路を見ると2機のF16戦闘機がアイドリングしています。しばらくすると2機一緒に離陸してどこかへ飛んでいきました。アメリカの民間空港は普通に軍用機も使用しますので、こういう機会はたまにあります。日本だとあり得ないですね。

F6Fヘルキャット(第二次世界大戦で活躍した戦闘機)(個人所有)

着陸するために空港に向かっていると、無線で「Hellcat, cleared for land.(ヘルキャット、着陸を許可する)」という言葉が。ん?ヘルキャット?なんのこっちゃ?と思いつつ自分の着陸でいっぱいいっぱいになりながら着陸。すると教官が興奮して「あいつの後を追いかけろ!給油所だ!」って言ったので言われた通り行って見ると、本当にF6Fヘルキャットがいました。博物館に展示されるような機体なんですが、なんと民間人の個人所有。アメリカでは歴史的な飛行機が有志によって動く状態で保存(動態保存)されていて、たまに整備などのために飛んでいます。日本ではありえないことです。

あまりの衝撃に「どうやったらヘルキャット持てるのさ?」と聞くと「Become a millionair, like me.(金持ちになりな。俺みたいにな。)」と教えてもらいました。 いや確かにそうですけど。あなたお金持ちなのね。

Luscombe 8A

私の教官が個人で所有していたのがLuscombe 8Aでした。これは第二次世界大戦前に製造された飛行機です。

なんと、翼は金属ではなく羽布張りと言って布でできています。エンジンをかけるときも、プロペラを手で回して勢いをつけます。

こういう古い飛行機をずっと保存して乗っていられる文化って、良いですよね。

アメリカのインストラクターにオススメされた書籍

いずれも英語の本です。1冊目は大西洋無着陸横断の冒険の本人による記録です。

こちらはその彼の自伝。

気象学を学ぶ

パイロットには気象に関する知識も必要です。

筆者は、趣味のレベルで気象予報士の資格も取得しました。

気象予報士資格・気象学の勉強についてはこちらのサイトが参考になりおすすめです。

まとめ|セスナ操縦免許は特別な人だけのものではない

セスナの操縦免許取得というと、パイロットを職業にする人や、特別な環境にいる人だけが挑戦できるものと思われがちです。

しかし実際には、年齢や条件を満たし、しっかり準備をすれば、会社員や一般の人でも取得を目指すことができます。

今回紹介したように、取得には費用や時間、英語、スクール選びなど考えることはあります。

ただ、事前に必要な情報を集めて準備しておけば、決して不可能な挑戦ではありません。

私自身、実際にアメリカで訓練を受けて感じたのは、免許を取得する過程そのものが大きな経験になるということでした。

空を飛ぶという非日常の体験は、単なる資格取得以上の価値があります。

もし「いつか自分で飛行機を操縦してみたい」と思っているなら、まずは小さな一歩として、必要な条件や費用を調べるところから始めてみてください。

この記事が、セスナ操縦免許への挑戦を考えている方の参考になれば幸いです。

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